2003 8/21(火) こないだ、すっごい夕立が降った。
私は弁当屋でバイトをしていた。傘も持たずに行ったので、まいったなぁと思いつつ、外をながめていた。
うちの店の前は結構急な坂(自転車を降りるか7割迷うくらい)で、上から下に滝のように水が流れるので、雨が降るととても通行がしにくくなる。
そのうち、店の軒下に、4人くらい男の人が走り込んできてドアの真ん前で雨宿りを始めたりもしていた。これでは客が入るハズもなかった。
と、車道をはさんで向こう側の歩道で、少し白髪のまじった小柄なおじさんが、すってんころりん転がってこけた。
持っていた傘が2メートル先へ飛んでいって、おじさんは、びしょぬれの道路に完全に仰向けに転がってしまった。
すぐに起きあがるかと思ったら、なかなか起きあがれない。
とりあえず体は起こしたが、なかなか、そこからおしりを持ち上げることができず、傘のところまでもたどり着けず、なんどもヨイショ、ヨイショとやっている。
転んだ時どこかぶつけたりでもしたのかも・・・
その間、何人もの人が向こうの歩道を通りかかっていたが、皆、チラリと見るだけで手を貸そうともしない。
子供づれのお母さんも、汚いモノを見るような目で子供をせかして通り過ぎて行く。
心配になって、店の外へ出ようとしたその時、お客さんが1人弁当屋に入ってきた。お客さんは傘をたたみながら、私の目線に気づいた。
「あら、どうしたんですか?あの人」「なんか、転んじゃったみたいで・・・あっ、その傘、貸してください!」「あ、はい、どうぞどうぞ」
私はその傘を借りて車道の向こう側まで走っていった。
おじさんの傘を拾って手渡して、助け起こすと、
「あ・・・ありがとうございます」とかおじさんはボソッと言って、びっこをひきながらゆっくり歩いていった。
車道を渡って戻ってくると、隣の店のおばさんが、腕組みしてじっと見ていた。
「あ・・・どうも、雨すごいですね」とか言ったが、おばさんは会釈をして踵を返した。一部始終を見てたに違いなかった。
なんか、冷たいなぁと思った。
私だって、傘を借りないと助けに行かなかったわけで、自分がどうなってもいい!といういわゆるウィザードリィでは善人タイプではなく、
ニュートラルのタイプなので忍者やロードにはなれないんだけど(ってまたマイナーネタを・・・)
とにかく、なんか、人間ってみんな冷たいなぁと思った出来事だった。
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