2002 9/29(土
 小学1年の時、クラスにWくんという男の子がいた。
 Wくんはいつもとっても汚かった。
 のびて垢がたまった爪でボサボサにのびた頭をバリバリ掻いて、隣の席にフケを落としてくるし、ツバははいてくるし、がーって息をはきかけてきたりした。
 そして出席番号の遅かった私はWくんのとなりの席だった。
 いつでもフケをおとされたり、ツバをはかれたり、がーって息をはきかけられたりしては「やだぁ〜!」とかゆってた。
 Wくんはいつでも、「ち〜んち〜んぶ〜らぶ〜らソ〜セ〜ジ〜〜」とか歌っていた。
 Wくんは配られたプリントをいつでもすぐなくしてしまうので、ある日先生が怒ってWくんの机の中のモノを全部ひっぱりだして調べてみた時があった。
 そしたら、机の中には、教科書やノートがぐちゃぐちゃに入ってて、いつの?・・・な給食のパンの残りとか、くしゃくしゃになった体操着のTシャツとか、ぬいだ靴下とか入っていてもうとにかくもの凄く汚かった。

 そんな汚いWくんだったが、2年生の最後にクラスの文集みたいなのを作った時、なんと、「好きな女子 ふらに(仮)」と、私の名前を書いてくれたのだ。(あ、Wくんが(仮)って書いたわけじゃないですよ。念のため。)

 ガキンチョながらも恥ずかしくて、女子は好きな女子、男子は好きな男子しか記述しないなかで、Wくんが好きな女子に私の名を書いてくれたのは画期的であった。
 とはいえそれに気づいたのは結構あとになってのことだった。
 Wくんは3年生になると、引っ越してどこかへ行ってしまった。
 片づけなどしていて文集が出てくるたびに、ふとWくんのことを思い出す私なのであった。