2000 6/7 「バスガス爆発」

誰しも一度は口にしたことがある早口言葉ではないだろうか。
今日はバスガイドさんに纏わる話をしようかと思う。

これにはパターンがいくつかあって、私が昔から言い慣れているのは
「ブスバスガイド バスガス爆発」
である。
これはなかなかに難易度が高い。1回ならまだしも、3回続けて言えるか試してみると解る。
これは、昔テレビで、天才バカボンをやっていて、バカボンのパパが、「ブスバスガイド バスガス大爆発」とみんなに言わせて回って、レレレのおじさんやワガハイを困らせていたのだが、
「大」が入る事で難易度が低くなってしまう為、私が勝手に「大」を抜かすアレンジをした物である。

この早口言葉を言うといつも思い出してしまうのは、小6の時、確か移動教室からの帰りのバスの、バスガイドさんだ。

「ブスバスガイド」で思い出すと云うのも甚だ失礼な話ではあるのだが、
普通バスガイドさんは若くて綺麗(個人差はあるとしても)とうイメージだった私達6年1組の前に現れたバスガイドさんは、
真っ白に顔面を塗りたくった濃ゆいファンデーションと、
真っ赤な口紅を塗ったドラエモンが笑った様なな大きな口と、
丁度大根の様な足を見事に兼ね備えた
オバハンであった。
2組のガイドさんも3組のガイドさんも若くて綺麗なのに、何故うちのクラスだけオバハンなのであろうか。
1組の全員が、一様に運命を呪った。(多分)

で、こういう時のバスガイドさんは色々話さなくてはならない。そのオバハンも、話を始めた。
「桃井第二小学校6年1組のみなさんこんにちはぁー!」
天地を揺るがすダミ声である。
しかし、それが面白く、皆なんとなく楽しくなりだした。
話す内容も流石ベテラン、オモシロイのである。心得ているのである。
こうなると彼女のペースである。

何時間もバスに乗っていると始まる、カラオケタイム。
この頃は丁度光GENJIの全盛期。移動教室のしおりにも確か、光るパラダイス銀河とかガラスの十代の歌詞を載せていた。
そして皆でカラオケに合わせて、光GENJIを歌うことになった。
バスの中にいくつか、カラオケ用マイクがあって、(今は知らんが、当時は四角いバスガイドさんマイクみたいのがいくつか付いてた)
そのマイクを利用して歌いたい人が歌っていた覚えがある。
そこで、ガイドのオバハンも自らのマイクで、光GENJIを気分良く歌い始めたのだ。
もちろん天地を揺るがすダミ声である。
「よーーーおーこーーそぉーーーここぉーーーえぇーーー」
決して良いとは言えないリズム感と演歌系の音程感がバスの中に響き渡る。
こうなると更に彼女のペースである。

カラオケの次に、オバハンはみんなに「替え歌を教えてあげる」といい、
キャンディキャンディの替え歌を伝授してくれた。
「そばかすなんて気にしないわ・・・♪」のアレである。
細かい部分は忘れてしまったが、サビのこの一節
「わたしはーわたしはーわたしはキャンディ」
ここが、このようになる。
「ハナクソーハナクソーハナクソキャンディ♪」
鼻の穴を指でほじってクルクルっと指先で丸めてピンッ、と飛ばす振り付きである。

ちなみに「笑ってー笑ってー笑ってキャンディー」の一節も、同じく
「ハナクソーハナクソーハナクソキャンディ♪」
更に、最初の「そばかすーなんて」も、
「ハナクソなんて・・・」
になっていたような気が、今してきた。
ウンコとか言うだけでネタになって笑えてしまう小学生の悪ガキ共こういうのはモチロン大好きである。

そして、このような和やかな(ちょっと違う)雰囲気でバスは目的地へ到着した。
実は少し名残惜しかったのは私だけではないだろう。多分。

そんな訳で、バスに乗ったりするとどうしても私の頭の中には、ハナクソキャンディの歌が頭に流れるのである。
ちょっと下品だったかしら。まぁいいか。